インスペクション・耐震診断
建物状況調査とは・・・
中古住宅の取引後に生じるおそれのあるトラブルを防止するため、あらかじめ専門家に劣化や不具合の有無などを調査してもらうものです。
建物状況調査
建物状況調査とは、既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士(これを「既存住宅状況調査技術者」といいます)が、国の定める基準に従って行う建物調査のことです。「建物状況調査報告書」等が調査実施者により作成され、依頼者へ交付される仕組みになっています。
調査の対象となる建物は?
建物状況調査の対象となる建物は、築年数を問わず人の居住の用に供した住宅、または建設工事完了の日から1年を経過した住宅のいずれかです。
例えば、中古の戸建住宅やマンション、賃貸住宅等が対象となります。
また、建物状況調査の対象部分は、建物の構造耐力上主要な部分および雨水の侵入を防止する部分となり、「保険の対象部分」と同じ部分になります。
建物状況調査をするメリットは?
建物現況調査を行えば、調査時点における住宅の状況を把握した上で売買等の取引を行うことができるので、取引後のトラブル発生を未然に防ぐことが期待できます。また、調査結果はその後のリフォームやメンテナンスを行う際の参考にもなります。
耐震診断とは・・・
耐震診断
耐震診断とは既存の建築物で旧耐震基準で設計され耐震性能を保有していない建物を、現行の構造基準(新耐震基準)で耐震性の有無を確認することです。また、新耐震基準で建てられた建物でも劣化等が懸念される場合は耐震診断される事をおすすめいたします。建物の耐震診断を行うことによって耐震性が分かり、耐震補強案や概算での耐震改修工事費用を検討することが可能になります。
耐震診断の必要性
平成28年4月に発生した熊本地震は、平成7年に発生した阪神・淡路大震災と同様に多くの建物が倒壊もしくは一部損壊しました。熊本地震では特に古い(旧耐震基準で建てられた)瓦屋根の木造家屋が大きな被害を受けました。建物の耐震基準は建築基準法によって定められています。建築基準法は発生した大地震などの災害を契機に過去何度も改正され、国も旧耐震基準で建てられた建物の耐震化を推進していますが、未だに全国では約900万棟程の建物の耐震化が行われていないのが現状です。
もし今後熊本地震と同規模の大地震が発生した際には、多くの建物が倒壊する恐れがあります。
旧耐震基準で建てられた建物は、現在の新耐震基準を満たしていない建物強度であるため、震度6強から7の大地震に直撃されると倒壊してしまう危険性が非常に高いと思われます。
耐震診断の内容
耐震診断は、まず予備調査により、建物の概要や使用履歴、増改築、経年劣化、設計図書の有無等の内容を確認し行います。調査結果から構造の耐震性の検討・評価を行い、ご依頼に応じて耐震補強案及び概算工事費等もご提案いたします。
インスペクション実例
2018年~2022年も多数のインスペクションおこなっております。
2017年3月 小城町晴気
インスペクションでは外壁などに入っているクラックと呼ばれるひびの大きさもチェックしていきます。
写真の道具はクラックスケールといって、ひびの幅を測る際に使用します。また、幅だけでなく深さも調べます。
耐震診断実例
2018年~2022年も多数の耐震診断をおこなっております。
床下点検口や点検口がない場合は所有者もしくは管理者の了解を得て畳をあげて床下を確認します。
床下では基礎の状況、劣化、蟻害、また屋根裏では見れなかった筋交いの確認等を行います。
2017年5月 佐賀市本庄町
筋交いが断熱材で隠れていたため、断熱材をかき分けてサイズを測っています。
筋交いの場所や向きも重要ですが、サイズによって耐震性も変わってきますので、要調査項目です。
2017年5月 佐賀市城内
屋根裏・床下で劣化判断のほか、筋交いについて目視確認を行います。
2017年3月 佐賀市川原町
床下を見てみると、もともと建っていた部分の基礎はコンクリートで、増築部分はブロック基礎でした。耐震性としては有筋コンクリート基礎>無筋コンクリート基礎>ブロック基礎などになりますが、劣化状況によっても耐震性は変わってきます。
2017年2月 佐賀市嘉瀬町
蟻害があると柱・梁の耐力の点で耐震性では不安があります。